潰潮泥冠カバ
沈根水門へ突進するのではなく、その下から浮上する。巨大な背が浮根島全体を押し下げ、一度の呼吸で種子筏を弓なりにする。塞がれた放水路からは72秒ごとに圧力波が戻る。固定ポンプの周期が止まり、自然な退潮が水路へ入ると、個体は深い経路へ向きを変え、自力で離れる。

観察層級沿岸補記
初遭遇地点第 05 · 第05日・沈根水門
棲息地雨脈浮根種子庫の季風水門外にある退潮深水路、緊急放水路、マングローブ根島、浮遊種子筏
派生型態冠板がまだ閉じていないと伝わる未確認の幼獣、全長18メートルの成獣、深水路を占める単独の災厄個体
棲地と環境機制
雨脈浮根種子庫の季風水門外にある退潮深水路、緊急放水路、マングローブ根島、浮遊種子筏。厚い冠板と側腹の圧力嚢で、深水路を通る季節風の潮差を感じ取る。自然な退潮時には浮遊種子庫の外側に留まるが、都市の固定ポンプ周期が汚染された泥水を逆流させ、個体を根の水門へ押し込み、水路全体を圧力室へ変えた。一度の呼吸で種子筏が弓なりになり、そこから生じる圧力波は種子筏を引き裂き、マングローブ根島を沈めるほどだった。災厄放水路と復潮高水門を開くと、対峙せずに離れられる幅の退潮路が戻った。
雨脈浮根種子庫へ ↗行動と生態機能
沈根水門へ突進するのではなく、その下から浮上する。巨大な背が浮根島全体を押し下げ、一度の呼吸で種子筏を弓なりにする。塞がれた放水路からは72秒ごとに圧力波が戻る。固定ポンプの周期が止まり、自然な退潮が水路へ入ると、個体は深い経路へ向きを変え、自力で離れる。
通常の潮汐下では種子庫の外側に留まり、季節風の圧力を退潮回廊に沿う幅広い水脈へ変える深水路の巨獣である。設備異常はその力を育児場所と種子保存網へ押し込んだ。個体の動きは水理異常の規模と方向を示し、その離脱は浮根から災厄圧力が抜けたことを示す。
形態と識別
冠板がまだ閉じていないと伝わる未確認の幼獣、全長18メートルの成獣、深水路を占める単独の災厄個体
- 全長約18メートルで、カバとして無理のない比率を持つ災厄級の半水生巨体
- つやを抑えた嵐灰色の皮膚と、頭骨から肩を覆う黒い潮泥の冠板
- 季節風の潮差を感知する、圧力で膨らむ側腹嚢
- 深い泥水路で巨体を支える、根の傷が残る柱状の脚
- 攻撃ではなく巨体の排水量によって生じる、水路幅いっぱいの茶褐色の波
観察原則
方とKは巨獣を標的として扱わない。攻撃、照準、追跡、接触、捕獲、進路誘導を行わない。方は防護された高所から冠板の動き、側腹圧、排水量を観察する。Kは人間の設備だけを操作し、能動武器を収納したまま、強制を伴わない退路を開く。深水路を選び、自ら離れるのは個体自身である。
沈根水門の外で、水面は増水したのではなく下から持ち上がった。全長18メートルの背が浮かび、浮根島全体を押し下げる。個体は攻撃しない。方は高所の整備台から冠板と側腹の圧力パターンを読み、Kは退路を確保して人力放水路の操作を準備した。能動武器はすべて収納した。