01生態図鑑
怪物とは、人間が未知に与えた名前にすぎない。ここでは彼らの本当の暮らしを記録する。
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10翼幅約三十メートルで、空と海の両方を移動する濾過食性の巨エイ神級。攻撃性はないが、峡湾全体の磁場、気流、航路を変える力を持つ
雷天蓋オニイトマキエイ
海面と蒸気層に漂う発光性の磁気藻を濾過摂食する。峡湾で記録されたほかの四種を捕食せず、方とKにも攻撃性を示さない。レーダーの干渉パルスに進路を塞がれると、無理に通過せず天門の外で待つ。
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18鈍い築礁バサミを持つ、甲幅約1メートルのコバルト黒色の造礁ガニ中度警戒
アンカーホール造礁ガニ
頑丈な6本の歩脚で流れに耐え、2本の鈍いハサミで空の殻、鉱物化した藻、剥がれたケーブル繊維を押し固める。緩流の通路となる孔は開けたままにし、最も強い反復パルスに面した孔を閉じる。警戒心は強いが方やKを攻撃せず、二人が育幼域の中心部に入らなければ築礁を続ける。
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33翼開長約1.8メートル、赤褐色の体毛、つやを抑えた濃オリーブ色の翼膜、淡色の葉状鼻葉、花粉を運ぶ胸の長毛を持つ大型花蜜食オオコウモリ中度警戒
季風花鼻オオコウモリ
群れは斜めに降る雨の間を低く滑空し、鼻葉で捉えた安定した風圧を手がかりに林冠経路を保つ。花蜜を吸うと、胸の長毛へ自然に花粉が付着する。塔脚の支柱が低周波振動を増幅すると、群れ全体が種子庫を迂回する。支柱が隔離されると雨間へ戻り、浮遊種子筏へ花粉を運ぶ。
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3640センチメートルのつやを抑えた象牙色鉱物管に成体が入り、温かい塩水の流出部で控えめな緋色の鰓冠を広げる地熱性環形動物群低危険度
硫冠チューブワーム群
共生菌を通じて地熱性硫化物を取り込む環形動物である。磁器のような白い鉱物管は泉岸に固定されたまま、圧力上昇前に緋色の鰓冠だけを引き込める。収縮は最も熱い側から順に進み、目に見えない塩水の移動に方向を与える。冷水涵養が熱塩水を押さえると、外縁から群れごとに鰓冠を開く。
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40全高十一メートルに達するアフリカのウシ科を原型とした巨体、重いスイギュウ型の骨格、左右へ大きく張り出す二重角冠、つやを抑えた炭色の皮膚、首沿いの淡い放熱窓、石のように硬い蹄底を備えた巨大な割れ蹄を持つ極危群極危
溶岩脈重冠オオウシ群
群れは二重角冠の共振で地下の熱脈を読む。首沿いの淡い窓から体熱を逃がし、巨大な割れ蹄で熱泥を越えながら、一歩ごとの圧を湿地全体へ分散する。偽の震動が幼獣を脅かすと、雄は突進せず、残った隙間へ横向きに立つ。通過時は幼獣が内側を歩き、成獣雌が角冠で硫黄泉の縁から隔て、雄が最後に高堤を離れる。
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