警報より十七秒早く
第九蒸泉槽の霧は塩の地表に沿って流れていた。方と私にはまだ揚水井の起動音が聞こえない。それでも象牙色の鉱物管の上で、緋色の鰓冠が都市側から順に引き込まれ始めた。方は温度プローブを群体の外縁に留めた。私は能動走査を切り、受動式震動計だけに地下の低音を記録させた。井圧が上がるたび、後退線は警報より17秒早く泉岸を横切った。



「方が記したのは動物ではなく、戻った冷水の線だった。私は涵養流量を自然浸透の範囲に残した。直したのは群体ではない。それがずっと読んでいた境界を、都市が削り取るのを止めた。」— K











